帝国の人的遺産の一系譜―インドネシア独立戦争期における東部ジャワの日本人部隊の歴史―
インドネシア残留日本兵の一部が1948年7月に東部ジャワで日本人部隊として集団化したことの意味を、史実を通して明らかにした。考察の結果、東部ジャワの日本人部隊はインドネシアのナショナリズムの仲介者と妨害者という二つの社会的機能を内在した軍事組織であり、インドネシア軍の再編合理化計画が進む時期に、自己の名誉と生命の保証のために「最も安全な集団」であるインドネシア軍に身を寄せた残留日本兵が集団化したものであると結論づけた。(138頁)
修士学位論文
慶應義塾大学大学院経済学研究科