毛宗崗本『三国志演義』における女性の忠
毛宗崗本は、漢への忠の尊重を女性の表現にまで行き届かせる。しかも、徐母の忠を強調するあまり、徐庶の孝を貶める李卓吾本を改め、忠と孝の狭間に苦しむ徐庶の葛藤を救い出し、徐庶を送り出す劉備の仁に傷がつかない配慮をしているのである。
『東洋の思想と宗教』
早稲田大学東洋哲学会
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