鹿児島県奄美大島のカトリックと地域社会―そのめまぐるしい相互関係の変化―
山元貴継、荒木一視、淡野寧彦、植村円香、中條曉仁、筒井裕、高橋昴輝、<U>麻生将</U>、橋本操
平岡昭利監修、須山聡・宮内久光・助重雄久編著『離島研究Ⅵ』所収、pp.175-188。鹿児島県奄美大島には明治前期にカトリックが伝播し、多くの住民が信者となった。その背景には奄美大島の経済的な苦境や近代化、教育・医療・福祉への期待などがあった。島の社会に受け入れられたカトリックは1931年の満州事変以降にスパイ容疑で排除されたが、奄美大島の近代以降の社会的、文化的に不安定な立場がその要因の一つであった。第二次世界大戦後は戦災や災害からの救援、復旧を通じてカトリックと奄美大島の地域社会は新たな関係を構築した。
175~188
海青社