近代日本におけるキリスト教と国家神道
本稿では、近代の日本においてキリスト教関係者が国家神道にどのように対応し、包摂されていったかを検討した。国家神道は神社を思想統制、政治的統制のために組織化し、国家権力がこれをコントロールする仕組みで、神社非宗教論によって成立していた。一方、近代日本のキリスト教界は愛国主義的な性格であったため、昭和時代になると神社参拝を拒否したキリスト教関係者への迫害に加担した。そして神社参拝とキリスト教信仰の両立を「日本的キリスト教」によって成し遂げ、近代日本のキリスト教は国家神道に接合された。
立命館文学
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