近代日本における女性出稼ぎ労働者とキリスト教―美濃ミッションを事例として―
本稿は岐阜県大垣市に設立された美濃ミッションと呼ばれるプロテスタントの団体と女性出稼ぎ労働者の関係を当時の写真や信徒名簿を用いて分析したものである。美濃ミッションは幼稚園経営を通じて大垣市の医者や市会議員と関係を持つ一方で、寡婦や母子家庭の親子、在日朝鮮人、女性出稼ぎ労働者を保護していた。女性出稼ぎ労働者は日本各地から大垣市の繊維関係の工場に出稼ぎに来ていた。美濃ミッションによる女性出稼ぎ労働者への布教は後に日本各地に影響を与え、ナショナルなスケールのキリスト教の活動に結びついていった。
立命館文学
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