1930年代奄美大島におけるカトリックをめぐる排撃と「排除の景観」の形成
1930年代の奄美大島のカトリック教会に対する排撃運動を事例に、宗教集団の排除を正当化する論理が地域の景観にどのように読み込まれたのかを考察した。カトリック集団が排除された後に残された教会建物を排除した側が町役場に転用し、排除の正当性をこの建物に付与したことで「排除の景観」が生み出された。排除をめぐる多様な言説、実践のせめぎあいや、集合的記憶のポリティクスを景観の中に見てとれることが明らかになった。
人文地理
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