『豊後国風土記』『肥前国風土記』の「言語」観
古代文学会11月例会
共立女子大学
本発表は『豊後国風土記』『肥前国風土記』の分析を通じて、両風土記が地域の人々の「言語」(『肥前国風土記』松浦郡)をどのようなものとして記しているのか明らかにするものである。両風土記には『日本書紀』と同じ事項を記している記事が確認されるが、前者の独自性として天皇の発話を載せていることが知られる。すなわち発話(会話文)は、「地誌としての認識と記述方法の問題」(橋本雅之「風土記と歴史書」)を示すものとして位置付けることができるのである。