源氏物語の始発―桐壺巻論集桐壺帝の依頼表現
『源氏物語』桐壺巻に見られる、神 命婦によって更衣の母に伝えられる桐壺帝の発話中の依頼表現の特徴を論じたもの。「忍びては参りたまひなむや」と言う、桐壺帝の依頼の発話にはほとんど見られない「む+や」という、直接的な要求になることを避けた形式の使用と、その直後に用いられる、「とく参りたまへ」というストレートな要求の表現について、命令・依頼表現の先行研究を紹介しつつ分析した。
488~509
竹林舎