ここにいない幽霊――1950年代日本文学における徴候
山口直孝
二松学舎大学文学部シンポジウム「幽霊の歴史文化学――それはどこに宿るか」
二松学舎大学文学部
1950年代の日本で発表された小説を対象に、「幽霊」の概念の拡張や変容を検討したもの。安部公房『幽霊はここにいる』、結城昌治『幽霊はここにいる』(『幽霊はまだ眠れない』、横溝正史『幽霊男』、柴田錬三郎『幽霊紳士』などを取り上げ、現代を舞台とした場合、幽霊が生者と交渉を持てないこと、イメージが混合的なものとなること、因果に縛られないことなどを指摘した。