本稿では、牛飼童をはじめとする俗世界の童子の担っていた宗教的役割について論じ、信仰上の童子と俗世界の童子が重ね合わせて認識されていた点を明確にした。とりわけ本稿では、祭礼行列における牛飼童や大童子の役割に着目し、彼らが童子という身分を持つことによって、祭礼行列で穢れを祓う役割を担っていたことを明らかにした。実は、穢れを祓うことは、信仰上の童子の特徴でもある。牛飼童などの童子たちは、「普賢丸」や「地蔵丸」などといった宗教的な名前をしばしば付けられていた。
これらのことからも、信仰上の童子と俗世界の童子は重