「東国における善鸞の信仰と布教活動」
親鸞の長男善鸞が、東国へ下向した後にどのような信仰を持ち、いかにして布教活動をしていたのか、という点について、『末灯抄』などの親鸞側の史料のみではなく、善鸞に対して好意的な視点を持つ『最須敬重絵詞』や『慕帰絵詞』も史料として用いて論じた。それによって善鸞は、符術によって治病や調伏を行ない庶民や武士からの信頼を得ていたことを指摘した。また、善鸞が、巫女たちを引き連れて布教活動を行なっていたことを明らかにした。
『史境』
歴史人類学会
第61号
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