詩跡は、単なる「名勝」「古跡」とは異なる新たな詩学用語としての概念であり、分かりやすく言うならば「漢詩の歌枕」ということである。本書では中国の代表的詩跡365を選出し、それを詠む歴代の詩歌の精読と比較検討を通じて、それぞれの詩跡化への過程を辿り、中国古典詩を「歌枕」という視点から改めて見直す。詩跡の空間的広がりを実感できると同時に、一つの詩跡に対する時間的経過を辿ることのできる事典である。
担当範囲:p37「碣石山・山海関」、p39「恒山・北岳廟」、p44「大同(雲州)・雲崗石窟・華厳寺」、p53「懸空寺・木塔」