江淹「遂古篇」について-郭璞『山海経』注との関わりを中心に
六朝末の江淹が『山海経』の欠を補ったという史伝に着目し、その補欠業に比定される江淹「遂古篇」の読解を行い郭璞注・『山海経』との関わりを探った。その結果江淹が『山海経』最古の注釈者郭璞と同じく『山海経』の異域の世界を実在のものと見なし、最新の地誌情報を以て郭注の欠を補った事、その動機には郭璞にはない印度的世界観への傾倒があったことを指摘した。
東洋文化研究所紀要
東京大学東洋文化研究所
No.151
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