戦略経営の研究において、これまで日本の伝統的な大手企業では売上高は高まるものの経常利益率が一貫して低下しているという戦略不全の論理が指摘されてきた。そこで本研究では高い経常利益率を獲得する要因として経営者就任年数を挙げて実証分析を行った。分析にはTopix500社のうち、創業企業、同族経営企業を除く446 社の有価証券報告書記載のデータをもちいた。結果、日本の伝統的な大企業において、経常利益率の高さには経営者の就任年数の長さが影響を与えていることが明らかになった。また、マルチレベル解析の結果、(1)存続年