主に、1951年学習指導要領と1958年学習指導要領を民主主義の理念が如何に表現されているかに即して比較することで、1950年代において、学習指導要領が変質したことを検証した。具体的には、教育基本法等では「民主的な国家及び社会の形成者」を育むことが、1947年以降、戦後日本の公教育の基本理念であり続けていると言えるが、学習指導要領の特設「道徳」の内容や「特別活動」部分の記述を眺めると、「民主的」といった言葉が全く登場せず、内容的にも、民主主義の理念を示す語句や表現は慎重に避けられている事態が1958年学習指導要領で創り出され、以後、その状況が今日まで継続していることを考察した。