朱自清『詩言志辨』について――近代学術と経学の融合――
近代における『詩経』の研究は、前近代的方法である経学への反発から、それを古代の歌謡として読み解こうとする傾向が強い。しかし『詩経』は古代歌謡である一方で、漢代以降は経典として特別の意義づけを持たされてきた。古典の中でもそのアプローチが劇的に変化した『詩経』について、近代に総合的な解釈を試みたのが朱自清の『詩言志辨』である。ここでは、その序文の主張を中心に、該書の研究史上の特質を論じた。
神話と詩(日本聞一多学会報)
日本聞一多学会
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