地に留まる天女――『丹後国風土記』逸文「奈具社」の記述――
日本文学協会第40回研究発表大会
オンライン(於Zoom)
本発表では『丹後国風土記』逸文「奈具社」の記事を扱い、「天女」が神名(=役割)を与えられ「豐宇賀能賣命」として竹野郡に取り込まれていく論理を明らかにすることを試みた。比治との結びつきを深めつつも、神としての鎮座をなすために比治にとって異質な存在であり続ける。このような二つの論理を前段が持つことを確認した上で、記事全体の問題としてどのように位置付けることができるのか検討した。