注釈言説としての「浦島子」――『釈日本紀』真紀子十二「述義八」第十四「雄略天皇」所引「浦島子」――
本稿では『丹後国風土記』逸文「浦島子」の記事を対象とし、その序文の構成と機能を検討することで、本記事が「開かれた」ものであることを明らかにすることを試みた。本稿では、風土記類文書が持つ中央と地の循環関係をテキストが「開かれた」という問題に置き換え、知的台座・歌・共有知といった近年の研究テーマを引き受けつつ、これらがテキストを「開かれた」ものにしていくさまを確認した。
『古代文学』
古代文学会
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