『丹後国風土記』逸文「浦島子」冒頭部における「姿容秀美」「風流無類」の検討
本稿では、上代における「風流」の語の検討を通して、当該語が漢語と和語との二重性を語義として内包していることを検討し、続いて「浦島子」の記事の構成について検討した。その上で、冒頭部の記述から見えてくるのは、当該記事編纂者における地誌を記す書記の意識であり、当該記事は伝承を導く差材としてではなく、記事そのものの検討を通して古代における地誌にありようを考察する必要を説いた。
『国文学論考』
都留文科大学国語国文学会
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