『肥前国風土記』養父郡における「部」の訓義
本稿では、「部」をめぐって先行論が提示する訓のいずれが適当かについて検討し、当該語は漢語の意を踏襲して使用されており地域の統治完了を示すものであることを確認した。加えて、『肥前国風土記』における和語「クニ」「クヌチ」の書き分けに類似する例が『日本書紀』に看取されることを示し、両者の語の使用を検討しつつ解釈に向かうべきことを確認した。
『国文学論考』
都留文科大学国語国文学会
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