王に擬される島子――『文選』「高唐賦」「神女賦」を典拠とする表現について――
『丹後国風土記』逸文「浦島子」の諸々の表現を検討し、当該記事が『文選』「高唐賦」「神女賦」を下敷きに記されたことを論じた。日本文学の解釈にあたり、漢籍を想定することは周知のことであるが、当該記事にあってその方法は、潤色として処理され、解釈に影響のないものとして扱われてきた。本論文では、漢籍における王の記述のありようが、古代文学に多大な影響を与えていることを論じた。
『古代文学』
古代文学会
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