中古文学と漢学
中古の仮名文学に対する漢学の影響力を『古今和歌集』に見える『文選』『論語』の摂取、『紫式部日記』に見える漢学の捉え方、和泉式部の歌に見える『白氏文集』の摂取を例に解説した。先行研究に拠りながら、帝徳を寿ごうとする『古今和歌集』仮名序の意図、『論語』の解釈が和歌本文に反映している現象も見えること、口に任せて詠んでいると評された歌人・和泉式部も漢籍を読み込んだ上で歌を作っていることを明らかにした。
講座 近代日本と漢学
戎光祥出版
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