近代日本のミッションスクールをとりまく排除の言説空間―大島高等女学校を事例として―
本稿では、奄美大島に存在した大島高等女学校の廃校のプロセスと論理について関係者の様々な言説を用いて分析した。奄美大島の有力者たちの要望に応えて1924年に開校された大島高等女学校は、10年後に非国民的な教育をしているとの理由で地元住民や有力者らが廃校運動を展開し、1934年に廃校した。大島高等女学校廃校の賛成派と反対派の言説の根拠はナショナリズムであり、関係者は誰ひとり自分を非国民であるとは認識していなかった。
立命館文学
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