地の文につかわれる「してしまう」について-具体的な場面描写につかわれるばあいを中心に-
本稿は呉(2007年01)と(2007年03)につづくものである。「構文論的な統一体」とよんでいた単位を「文連続」にあらため、この単位の必要性を論じた。本稿は、1人称と3人称小説の地の文で、かつ具体的な場面描写における「してしまう」の使用が、「してしまう」文が存在する文連続内において、「しめされている一定の根拠(文脈)にささえられている、(かたり手の評価による、登場人物=動作のし手の)実現された動作の強調」にもちいられることをあきらかにし、これまでの規定を一層確かなものにした。 (14ページ)
日本文学研究
大東文化大学日本文学会
第47号
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